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2015年11月12日 (木)

忘れていたこと

今年の3月に、会社の上司に退職の願いを伝えて、慰留を受けて2か月の休養休暇をいただき、復帰して更に半年が過ぎようとしている。半年も考える時間をいただき、そのあいだに社員旅行にまで連れて行っていただき、幸運にも自分自身が身を固めることのできる安定をいただく恩恵までを受けていた。

唯一の趣味が婚活に陥って、忙しさの中で、かつては富士登山を趣味にしようとしていた自分は見る影もなく、歩かない生活を送っていたあいだに、忘れていたことがあった。

それは、「歩ける感謝」とでも言おうか。登山は、自分の足で歩くこと。でも、その「自分の足で歩くこと」は、自分独りでは成しえないことなのだ。いろんな人の助け、力があって、初めて「自分の足で歩くこと」は叶うのである。歩くことを忘れると、「歩ける感謝」も忘れてしまうのだと思った。

退職の願いを会社の上司に伝えて、慰留され続けて、半年以上経ち、それでも退職したい希望が消えない今、ふと自分が退職したい本当の理由を考えてみた。「なぜは私は退職したかったんだろうか?」と。

退職したい理由や不満は、重箱の隅をつつくように口実や言い訳として探せば出てくるかもしれない。でもそれはこじつけだった。よくよく考えてみると、会社に不満はありようがなく、感謝しかない。もし不満があるとしたら、会社の配慮に応えられない自分に不満があるのかもしれない、と思った。そして、私は、退職したいと思う本当の理由を忘れていたことに気が付いた。本当の理由を忘れて、ただ辞めたい思いだけが残り、ジタバタとみっともなく気持ちだけが足掻いていた。

今の会社で働かせいただいた8年感は、病気療養後のリハビリだったと思っている。そのリハビリの環境として、その時々は辛かったいろんな叱咤激励も含め、結果としてとても恵まれた環境だった。そのために、私は自分に下された診断の病名としては、誤診だったんじゃないかと思えるほどの、考えられない回復ぶりを体験することができたと思っている。だからこそ、このこと(この会社で8年間働けたこと)は何にも代えられない喜びであり、感謝の気持ちの源なのだと思える。

だから、私には、今の会社で働けていることに感謝はあっても、不満はない。それが、この数カ月のあいだ、退職したい気持ちだけが先走り、不満ばかりを口にして、逃げ出そうとしていた。

忘れていたことを思い出したのは、「自分の足で歩くこと」というキーワードを思い出した今日のことだった。

私は、この職場で8年間働かせていただいた中で、山に登ったり、自然に触れる機会を覚えたり、それを他人に提供する立場に立ってみたり、またパソコンを勉強してみたり、福祉について勉強したり、自分にできること、やりたいことに触れることができた。だからこそ、自分のやりたいことの夢も見ることもできた。

病気から驚異的に回復できた一番のポイントは、希望や夢を持つことができる時間と環境、つまり安定した支えだったと思える。今の会社で8年間働けたことが何よりの私の支えだったと思える自分に気が付いた。これが、「自分の足で歩くこと」、「歩ける感謝」だと思い出すことができた。

なぜ退職したいのか、「退職したい本当の理由」は、私が受けた恩恵を、誰かに還元したい、という気持ちから生まれた自分の行きたい道、夢だった。そのことを思い出した。

結婚して、ただ安定した生活を求めて、ただそれだけの夢でパートナーを見つけようと婚活を始めたわけではなかった。叶う叶わないは別として、自分の夢を理解し、共に生きてくれるパートナーを見つけたくて婚活を始めたのだった。

その婚活が叶って、伴侶を得た今、「退職したい本当の理由」や「歩ける感謝」を忘れてしまっていた。あきらめていた。でも、あきらめて、ただ楽をして生きるのでは、いろんな大切なことを忘れてしまう。「本当の自分の気持ち」も忘れてしまう。自分の夢を忘れてしまう。自分を生きることも忘れてしまう。

今日、この時に、「忘れていたこと」を思い出せたこと、そのタイミングに係わってくださったいろんな人やいろんなタイミングに感謝である。

足掻いていた自分はみっともなく恥ずかしい限りだけれど、「忘れていたこと」を思い出せた今の自分を大事にしたい。



We_got_married

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